ブランクを乗り越えて

子どもの手も離れて来たし、そろそろ再就職をと考える時に主婦が派遣登録をするケースがよくあります。派遣会社によって得意とする職種に差があるので、まず自分が過去に経験した仕事内容に近い職種を取り扱っている会社を選ぶことになります。

実際に派遣先の企業に行って配属されると、思いのほかに過去に経験した方法とは違っている場合が多くて戸惑いを覚えることがあるでしょう。例えば、一口に事務職や事務補助と言っても法人や店舗独自の手法が確立されていますし、新しい職場で使われる「用語」からして異なるので、自分には無理なのではないかと感じることも多いものです。

しかし、「郷に入っては郷に従え」といったように、周囲の人から教わったことを繰り返して適応していくように努めることが大事な時期が必ずあるものです。この段階では「過去の仕事はこうだったのに今のやり方はよくない」と一方的に決めつけない柔軟性を持つことが大切でしょう。

新たなことに適応するのには一定の時間がかかるものです。反復するうちに、仕事で使う業界独自の用語も次第に自然に使いこなせるようになり、仕事全体の流れがわかってくると過去の経験との冷静な比較もできて、自分なりの工夫も生まれてきます。

そして、新しい職場での仕事の専門性に目覚めてくるようになります。新たな仕事に習熟してくると、仕事をより多くこなせるようになり、自分で数値目標を持ったりできるようになります。正確かつ仕事量をこなしていくための手法を自ら考えていくようになり、専門性に気づいて仕事が面白くなるといった好循環が生まれるのです。